〈2000・1・16 第67回 全日本アイスホッケー選手権大会

優勝決定戦 コクド-王子

《国立代々木競技場第一体育館》 〉

1

2

3

延長

TOTAL

コクド

0

2

2

4

SHOOT

8

9

8

25

王子製紙

2

3

2

7

SHOOT

6

7

10

23
<得点経過> 1P.12:14 王子 31松浦(アシスト 3杉沢 24桜井) 1P.17:35 王子 21川平(アシスト 11クラムスコイ) 2P. 4:55 コクド  44タッカー(アシスト 16坂井) 2P. 6:07 コクド 71桑原(アシスト 5宮内) 2P.13:29 王子 31松浦(アシスト 11クラムスコイ 39中村) 2P.15:12 王子 28磯島(アシスト 3杉沢 31松浦) 2P.19:08 王子 21川平(アシスト 9岩田 17桝川) 3P.2:36 王子 21川平(アシスト 17桝川 9岩田) 3P.8:49 コクド 30八幡(アシスト 71桑原) 3P.11:32 王子 3杉沢(アシスト 31松浦 11クラムスコイ) <パワープレーゴール> 3P.13:21 コクド 16坂井(アシスト 30八幡)  GK  コクド 29菊谷         王子  55相澤                                           ※記録で間違い等ありましたら、ご指摘頂ければ幸いです。
             挑戦者王子の勢いが、前王者コクドを圧倒した。
             コクドはスロースターターである。第1ピリオドに、ゴールネッ
            ト中央に突き刺さる松浦のファインゴールと、氷の上を滑っていっ
            て決まった川平のゴールで王子が2点を先制したが、そこまではコ
            クドにはよくあるゲーム展開でもあった。
             第2ピリオド4:55と6:07、立て続けにコクドが得点、同点に追
            いついたのは、いつもの反撃開始に見えた。実際この時間帯は、コ
            クドがゲームを支配し始めていたと思う。
             だが王子は、コクドに傾きかけたゲームの流れを、再び強引に手
            繰り寄せる。同点から立て続けに3点を奪われた第2ピリオドの後
            半は、コクドにとっては悪夢のような展開だった。特に、ピリオド
            終了間際の川平のゴールで、王子に完全に火がついた。
             絶好調の川平は、第3ピリオド開始早々にもゴール。コクドも、
            攻守に奮闘する八幡が得点して追いすがるが、9:44、致命的なペ
            ナルティが出てしまう。5-3の王子のパワープレーになった時点
            で、事実上の勝負はついたといっていい。チャンスに強い杉沢が確
            実に決め、王子は7点という大量点を決勝の大舞台で得た。
             フラストレーションが溜まるコクドはペナルティを連発。そうこ
            うするうちに時間はどんどんなくなっていく。ゲーム終了まで40秒
            というところで、顔に王子の選手のスティックが入って転倒した桑
            原が、ペナルティをとらなかった審判に対して激昂。アンスポーツ
            マンライクコンダクトのペナルティをとられた後もその怒りはおさ
            まらず、ゲームミスコンで退場という後味の悪い展開となった。桑
            原のダメージはかなりのものに見えただけに、怒る気持ちはよく分
            かるが、コクドのベンチは最悪のムードになった。
             王子ベンチは、ゲーム終了直前には肩を組んでカウントダウンを
            始め、優勝が決まった瞬間、氷に飛び出してスティックが宙に舞っ
            た。優勝にふさわしい完勝。たくましい戦いぶりは見事だった。
             予選リーグではコクドは王子を5-0で下している。前日の準決
            勝での不調を引きずってしまったように見えた。決勝戦の結果は、
            追う者と追われる者の勢いの差だったのだろうか。
          
             
            ★ルーキー・内山朋彦
             全日本選手権優勝決定戦という大舞台。ルーキーは第1ピリオド
            でのプレーの後(12:32頃)、また第2ピリオドの始まる前に、運
                        上監督にアドバイスを受けていた。こころなしか、少し緊張してい
            るようにも見える。
                         第2ピリオド5:44頃、桑原・八幡とのすばらしい連携プレーがあ
            った。7分過ぎにはいいパスも出した。
             しかし、ゲームの緊迫度が高まってきた第3ピリオドの滞氷時間
            は少なかった。新人なのだから、無理もないことではあるのだが。
             ゲームが終わり、王子の歓喜の場面が繰り広げられている氷を背
            にしてベンチに引き上げてくる内山の体から、悔しさが吹き出てく
            るようだった。
             あまりにも苦い敗北。それを内山がどう消化していくのかは、後
            半の日本リーグで見ることが出来るだろう。
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